父の病室に愛人がやって来た。職場公認の関係のようで母に対し「離婚しろ」と数人が詰め寄る → すると母が「そうですか…では…」→ 父「ぶるぶる」
定年目前の父が怪我で入院した。 幸い軽度で、経過さえよければほぼ全快して退院できると医師にいわれた。 家族(母、私、姉)でお見舞いに行ったとき、父は寝てたんだけど、父の職場の人が数人訪ねてきた。 母と同い年くらい(50代くらい)の女性が泣きながら眠る父に駆け寄り、父の手を取り跪いた。 他の数人(若い人も父くらいの人も男女10人くらいいた)は、母に離婚しろと言う。 曰わく ・父と、このAさんは両思いで、深い絆で結ばれている ・やましいことは何もしてない。しかし父に何かあったときに何も出来ないAさんがあまりに不憫である。 定年退職後では、大っぴらに会うことも出来なくなる。 ・今日だってAさんはあなた方を気遣って来ることを躊躇っていた。 しかし、ごらんの通り誰よりも父のことを想っているんですよ…等々。 言い返したかったが、母が静かに聞いていたので黙っていた。姉も同じ。 くだらない意地で旦那さんを縛り付けないで下さい…と続けた相手に、母は穏やかに 「えぇ、本当にそう思いますわ」 と答えた。泣き叫ばれるとでも思ってたらしい職場の方々が、思わずえっ?と声を出した。 「後生だから別れてくれと言ったって、いい大人が大泣きしながら駄々捏ねて。 こっちも疲れてしまって、娘らも気付いてないし、定年を機に疎遠になってくれればと思ってたんですよ」 母は静かにキレていた。 「それがねぇ…娘にも知れてしまったことですし…。 本当、群れなして突然押し掛けてくるような、こんなに素敵な部下たちに恵まれてて(すっごい、嫌みっぽかった)[…]
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