10数年前…
私…21歳 軽めの夜のお店勤務
妹…私の妹、学生
*実家から遠いので姉妹でアパート二人暮らし。
隣人…夜のお姉さん?美人
鬼嫁…35歳2児の母
ダメ夫…35歳
当時妹と結構広いアパートに住んでいた。
私は初心者マークの夜のお店勤務で、
金も無いので徒歩&電車で夜の街へ通勤していた。
事の始まりは、駅のホームから突き落とされた事。
人も少なく、その場で犯人を視認。
逃げたおばさんを捕まえると
「わざとじゃない!自意識過剰!
そんなヒールはいてるから!」と騒ぎ始めたので
うざったくてその場は駅員さんに注意してもらって出勤した。
この時は修羅場というより、基地遭遇wwとか思ってたんだが…
半月ほどして深夜に自宅の掃き出し窓をブチ破って、
駅で突き飛ばしたおばさんが土足で乗り込んで来た。
「どっち!?このクソガキ!?こっちのブス!?」
「あんた!いるんでしょ!でてこいやぁぁぁあ!」と大騒ぎ。
ガタイも良く顔はヤワラちゃんと北斗のコンボ。
怖いのでkを呼び、先日突き飛ばされた事も伝え
連れて行ってもらおうとしたが、
借りてきた猫状態に大人しくなった鬼嫁は別室
(我が家のね!怒)で婦警さんと話して帰って行った。
「何でかえすんですか!?」って食いついたけど、
「旦那さんがいると思ったんだって。
ダメだよ?警察は民事不介入~」とかなんとか言い出す。
何だそれ?ともおいながらも、
旦那なんか知らん、被害届だ!と食いついたが
薄ら笑いでいなされて帰って行った。
妹が「不潔」の眼差しでこっち見てて怖かった…
突撃よりこっちが修羅場だったかも。
何とか妹に身の潔白を信じてもらい、
ガラスも自費で直し、半年ほど平穏に暮らした。
が、ソレは突然やってきた。
買い物から帰り、自宅のドアを開けると
仁王立ちで分厚い封筒を突きつける妹。
デカデカと書かれた、地方裁判所の文字。
「あんた、訴えられたの?」
冷ややかな声、あぁ…あんたは完璧さ。
学生らしく慎ましく暮らし、家事もこなす。
だめな姉が落ち込めば、そっと甘酒を作ってくれる。
罪を憎み、決して汚れぬ逞しい心の持ち主さ…
それに比べて私ときたらさ…
て、ちがう!確かに夜の仕事はしてるが、
人様に後ろ指さされ流ような事はしてないつもりだ!
しかし、宛名は私。
封を開けると、被告人は私。
原告は見た事も無い名前、鬼嫁。
損害賠償請求訴訟?
読んでみれば、私が鬼嫁の旦那と不倫をし、
自分の飲み屋で金を使わせ、
子供の学資保険まで切り崩し、
果ては赤ちゃんの手術費用を2回も出させただの、
金を借りてるだの…
目ん玉びっくりな理由で、総額1000万オーバーの請求。
妹に言い訳をしつつも、内容の勤務先の名前も合ってるし…
訳がわからんが、返事をしろ、出頭しろと書いてあるので、
全部の項目をひとつひとつ否認します、
と陳述書をしたためて送り、出廷日に裁判所に。
2回ほど出廷したし、陳述書も提出。
もちろん裁判では双方の陳述書通り平行線。
ていうか、書面の確認しかしなかったけど。
毎回
「原告夫○○がこのようなブサイクを
自ら好きになるわけもなく被告が脅迫した」だの
「厚顔無恥にもこの程度の器量で夜の仕事をしているとは」だの
酷い言葉を真面目な顔で読み上げるおっさんが憎かった(^^;;
3回目の出廷日が近づいてきた時、
これまた突然事態がおさまった。
裁判所からの電話で、裁判が取り下げられました。と…
はい??だったが、そうですかと一安心。
弁護士も立ててなかったし、
まぁ酷い目にあったな~くらいで忘れる事にした。
しばらくして、隣人の女性が訪ねて来た。
この人、ギャル風の服を着てるが黒髪の美人。
ふるふると身を震わせ佇む姿は
夏目雅子を彷彿とさせる←例えが古くてすんません。
「あの、引っ越すんです。
それで…これ、受け取ってください!」と封筒を差し出してきた。
何かと思って、失礼だが受け取ったままその場で中身を確認。
30万くらいかな?札束だった。
「え?なんですこれ??
受け取れませんよ」と返そうとし、受け取れと戻される。
そこに妹帰宅。
みっともないから家に上がってもらえ、とドライに言われる。
素直に従う年上女2人。
まぁ事情を聞けば、要するに不倫してたのは隣人。
私も隣人も夜の仕事をしているので、
隣人が仕事を終えてダメ夫と合流し自宅に着くのとほぼ同時に
我が家の灯りがつくのを向かいの民家で張ってた鬼嫁が確認。
我が家に突撃、しらばっくれやがってと裁判まで起こしたということだった。
ダメ夫は、突撃の時も隣室にいて震えてたそうだ。
しかも裁判起こしたと自宅で聞かされて、
相手が間違っていても指摘せずしらばっくれていたらしい。
というかむしろ、私だと臭わせるかのように発言したり、
わざわざ私の帰宅に合わせて隣室に入り浸っていたという…
そんなクズなダメ夫とは、
交際1週間で妻帯者と知り別れたがったが別れてくれない。
好いた仲でもあるし店の客でもあるからと
ダラダラと関係を続けてしまったが、
今回の鬼嫁の勘違いを意気揚々と話すクズっぷりに
ついに決心して、遠方に逃げる事にしたらしい。
裁判が取り下げられたのは、
弁護士を通じて真相を鬼嫁に話し、
遠方に逃げて一切ダメ夫とかかわらないこと、
慰謝料300万…だったか350万だったかを一括で払うこと、
自分が土下座に行くこと、を伝え合意したかららしい。
金はすでに払い、引越しが終わってから
土下座に行くことになってるらしいが、
鬼嫁も怒りがダメ夫にシフトしているらしく、
土下座どーでもいい、な雰囲気のようだった。
この時点でまだダメ夫は私相手の勘違いが続いてると思っているらしく、
鬼嫁もとぼけているということだった。
不倫はいかんが、決心してよかったね、と励まし、
テーブルの上の30万をつかむ妹。
「引っ越すんでしょ?じゃあ餞別ね」と5万だけ抜いて
封筒を隣人の手に無理やり握らせ、
「ガラス代」とニヤリと札を振る妹がかっこ良かったw
その日の夕方、
引越し屋と黒服っぽい男性2人が荷物を運び出し、
隣人はいなくなった。
私はホームから突き飛ばされ、ガラスを破られ、
ブス呼ばわりされた挙句訴えられ…
諸々の折に妹に蔑まれ…
散々な修羅場でした。
因みにガラス代は私が出したのに、
5万の恩恵は妹にしゃぶしゃぶに連れて行ってもらっただけで、
あとは妹のスノボ用品に化け…
主婦って貰ってたから、
家計はお任せだしまぁいっかでおわりました。
その後私は早々に夜のお店もやめ、
貧乏ながらもお日様の下で働き、
無事嫁の貰い手もつき今は平穏な家庭を築いてます。
「愛のコメント」
なかなかの妹さんですね。