夫を亡くした寂しさから毎日パチ屋へ行っていた。「娘はもう高校生だから大丈夫でしょ」と完全放置していたら、とんでもないことに・・・。

夫を亡くし、悲しさを紛らわす為にパチンコへと毎日行っていた。
娘は高校生だからと安心して家に帰らない日もあった。

いつの日か娘は話をしなくなった。しかし私は反抗期だろうと、ほっといた。

半年ぶりに、ちゃんと見た娘の姿は痩せ細っていた。
親の愛情不足からくる節食障害だった。
話をしなくなったのは声が出なくなったからだった。半年も気付かなかった。
娘の心の傷にも気付かない私は母親失格だ。死んでしまいたいと思った。

それ以来、毎日娘と過ごす時間を作った。しかし口をきいてくれる事はなかった。
友達とは楽しそうに笑う。私には無表情だ。当然私を憎んでいるのだろう。

今日は1人で過ごす大晦日。クリスマスも1人だった。
嫌いな母親と過ごすよりは大事な人と過ごす方がいいに決まってる。
淋しさから涙があふれた。泣く権利など私には無いのに。

もう寝ようかと思ったとき、携帯がなった。

娘だった。

『1人なんでしょ?今、彼氏といるんだけど、お母さんも来たら?』

久々に聞いた声、嬉しさから溢れる涙を押さえながら

「悪いからいいわ。でも、ありがとう」

と告げ電話を切った。

その後、娘からメールが来た。

大好きなお母さんへ
やっと話せた。私、お母さんを憎んでないよ。大好きだよ。
頑張ろうとしたけど声がでなかったの。ゴメンね。
大晦日にも淋しい思いさせてゴメンね。お父さんの分も支えてあげるね。
早いけど、あけましておめでとう。今年もよろしく。

娘は私を恨んでなかった。
今思えば、口を聞いてくれることはなかったが、ソバにいてくれた。
嬉しくて涙をこらえきれず、声をだして泣いた。
1人きりの大晦日だったが、私には幸せな1日だった。

涙をふき、

「ごめんね。そしてありがとう」

とつぶやいた。

「愛のコメント」

これからは娘さんを大事にしましょう。